金属製品はどうして錆びにくいんだろうと不思議に思ったことはありませんか?そこで今回は酸洗いをテーマにしてみたいと思います。金属加工では欠かせない工程なので、まずは分かりやすい部分から覚えていきましょう。
酸洗いとは


導入は難しい?酸洗いを行うために必要な設備とは
作業員の安全を確保する設備は不可欠
酸洗いに使用する薬剤は人体に有害な成分が含まれているので、たとえ少量の使用であっても安全管理には細心の注意を払う必要があります。大型の金属製品に酸洗いを行うならその分だけ薬剤の使用料も増えるので、作業場の安全性を確保するための設備導入は必須条件です。保護具やカバー、換気設備などを導入してようやく最低限の準備が整ったと言えます。使用する薬剤によっては有害な蒸気が飛散することもあるので、作業員に対する安全教育も不可欠です。直接的な保護具では無いものの、薬剤の取り扱いに関するガイドブックや安全教育用の教材も酸洗いを適切に行うために欠かせない道具になります。酸洗いで生じる廃液も危険性は変わらないので、専用の貯蔵容器を複数用意しておくことが大切です。
廃液処理は大掛かりな設備が必要なので業者に任せるのが無難
酸洗いによって生じる廃液は金属製品の汚れやサビといった異物が混ざっているのでそのまま廃棄すると環境に大きな悪影響を及ぼします。成分を分解して無害化させる必要がありますが、酸洗いで生じた廃液の処理設備は大掛かりな物になってしまうので、よほど規模が大きな施設でもない限り導入は現実的ではありません。 そのため、酸洗いで生じた廃液は専門業者に処理してもらうのが賢明な対処法になりますが、輸送の際は廃液が流出しないように封入する必要があります。廃液処理は高額な費用が生じることから、稀に廃液を再び酸洗いに使用する業者があります。しかし、廃液は汚れの除去効果が著しく低下している他、取り扱いの際に大きな事故に繋がる可能性があるので非常に危険です。費用が嵩んでも正しい方法で処理を行うのが安全に酸洗いを行う条件になります。
メリットとデメリット

金属製品を綺麗にするのが酸洗いの目的
金属製品には油脂や薬品による汚れやサビ、溶接焼けなどの不具合が生じます。そのまま放置するとそこから劣化が進むので、強酸性の薬剤で汚れなどを除去する酸洗いを行うのが金属製品の品質を保つための工夫です。