薬剤を均一に浸透させるための前処理が不可欠

酸洗いは金属製品を綺麗に仕上げる目的で行う作業なので、薬剤が均一に浸透しなければいけません。汚れやサビが付いたまま酸洗いを行うとムラが生じてしまうので、出来るだけ綺麗に取り除いておきます。凹凸になっている部分も滑らかに削る他、油脂がこびり付いている部分は十分に水洗いを行って埃などの異物を除去することが大切です。汚れなどの異物はもちろん、前処理に使った水も綺麗に取り除いて清潔な状態に仕上げるのが酸洗いを成功させるための工夫です。酸洗い用の薬剤を丁寧に塗布し、製品全体に行き渡らせます。酸洗いを行った後は再び洗浄を行い、製品に付着している薬剤をすべて取り除くことで工程は完了です。製品によってはさらに酸洗いを行って皮膜を作ることもあります。
酸洗い後の乾燥処理は製品の状態を見ながら調節を行う
酸洗いを施した後は製品を乾燥させて皮膜を作ります。皮膜は金属製品に汚れや傷が付くのを防ぐ効果があるので、ムラの無い均一な厚さに仕上げなければいけません。皮膜を綺麗に仕上げるには酸洗い後の乾燥処理が重要なポイントになります。通常は機械設備による強制乾燥を行いますが、場合によっては自然乾燥が適していることもあるので製品の状態を確認しながら処理することが大切です。いずれの方法も乾燥中は異物が付着しないように製品の周囲には無暗に近づかないのが普通です。乾燥中に気泡やひび割れが皮膜にできると製品を保護する効果が無くなりますが、皮膜の不具合は異物の付着の他に薬剤が均一に浸透していない状態でも発生します。そのため、乾燥作業の前には薬剤の浸透率を確認する必要があります。
過酷な環境下で使われる車のミラーなどには、金属表面処理が用いられています。この処理のおかげでガラス自体の耐久性が増し、劣化しにくくなります。